熱の伝わり方には伝導熱と対流熱、輻射熱の3つがあります。
住まいで起こっている熱の移動は3つ目の輻射熱がほとんどの割合を占めていると言われており、家を涼しくするためには輻射熱への対策が重要になってきます。
そこでオススメの輻射熱対策を紹介します。
輻射熱の概要から解説しますので、ぜひご覧になってください。

□輻射熱(ふくしゃねつ)とは?

輻射熱とは、輻射によって伝わる熱のことです。
輻射は、温度の高い物体から低い物体へ、電磁波によって伝わることを言います。
物体の中まで届くという点が最大の特徴で、家を暑くする主な原因だと考えられています。
輻射熱としてわかりやすい例を挙げると、ストーブや電子レンジなどがあります。
電磁波で移動することによって、風が吹いていても暖かさが伝わります。

ここで輻射熱がどのようにして建物内の温度に影響を与えているのかを考えてみましょう。
建物の屋根に降り注ぐ太陽からの輻射熱は、屋根材に当たって反射するものと、建物内に吸収されるものの2つに分かれます。
割合で言うと大半が建物内に吸収されます。

先ほども申し上げたように、基本的に熱は高い温度の場所から低い温度の場所へ移動します。
そのため、屋根に当たった輻射熱は、室内に侵入します。
輻射熱はこのようなメカニズムで建物の温度を上昇させているのです。
住まいを快適な温度に保つためには、輻射熱を抑える対策が必須になってきます。

「性能の良い断熱材を使えば、建物を快適にできるのではないか」
ここでこのように思った方は多いでしょう。
確かに、高品質な断熱材を取り入れることによっても住まいの快適性を向上させられます。
しかし、結論から申し上げますと、断熱材で対策できる熱は全体の5パーセントから7パーセントだと言われています。

詳しく解説すると、以前までは住まいに侵入してくる熱は、伝導熱と対流熱がほとんどだと考えられてきました。
しかし、最近では建物内の熱移動は輻射熱がほとんどだということがわかっています。
具体的には、全熱量の75パーセントです。

断熱材によって対策できるのは伝導熱なので、建物に侵入してくる輻射熱の対策はほとんどできないのです。

□屋根が暑くなりやすい工場の特徴をご紹介!

「工場内が暑くなりすぎて困っている」
「作業効率を高めるために、室内を涼しくしたい」
工場で作業している方で、このように思っている方はいませんか。
実は、室内が暑くなりやすい工場には、ある共通する特徴があります。

それは金属屋根や波型スレート屋根を使っているという特徴です。
金属屋根はトタンやガルバリウム鋼板、アルミニウムからできています。
金属は熱伝導率が非常に高いため、表面が熱くなりやすいです。
加えて、金属屋根は薄いケースが多いため、表面温度がすぐに室内に伝わり、室内温度が上昇してしまいます。

波型スレート屋根とは、セメントと繊維材料でできた人工的な屋根材です。
スレート屋根は下地との間に隙間がなく、断熱するための空気層が設けられていないため、断熱性は低くなってしまいます。
そのため、波型スレート屋根も熱の伝導率が高く、暑くなりやすいと言えるでしょう。

□オススメの輻射熱対策をご紹介!

先ほどは良質な断熱材を使用する対策をご紹介しました。
しかしこれだと、伝導熱の対策しかできません。
輻射熱対策としてオススメなのが、遮熱シートの利用です。

遮熱シートとは、太陽からの輻射熱を反射します。
これによって外の熱を通しにくく、中からの熱の移動も逃しません。
つまり、夏は涼しく、冬は暖かい環境をキープできるということです。
日光がよく当たる屋根や外壁に遮熱シートを貼ると、輻射熱をカットでき、夏でも快適に過ごせるようになるでしょう。

遮熱シートには他にもメリットがあります。
それは光熱費を削減できることです。
工場の運営にかかるコストはできるだけ抑えたいですよね。

遮熱シートを使うと、工場内の快適性を保てるだけではなく、光熱費も削減できます。
省エネ効果をあげたいとお考えの方にはうってつけの商品ですので、ぜひ検討してみてくださいね。

また、在庫商品の劣化防止にも役立ちます。
工場内で保管されている商品の中には、暑さによって劣化するものもありますよね。
遮熱シートを導入すると、室内に熱がこもりにくくなるので、在庫商品の劣化を防げます。

ここまで遮熱シートの魅力をご紹介してきましたが、注意しなければならない点もあります。
遮熱シートは輻射熱を反射するための商品です。
そのため、輻射熱以外の伝導熱や対流熱を防ぐことはできず、これらの熱を防ぐには他の対策を施さなければなりません。

伝導熱と対流熱は断熱材を使うことによって対策できます。
遮熱シートと断熱材を合わせて使用することで、室内の快適性をより強固なものにできます。

□まとめ

輻射熱とはどのようなものなのか、どのようにして対策をしていけば良いのか知っていただけたでしょうか。
今回の記事を参考に、工場の快適性をアップさせてくださいね。

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