「電動機はどのような種類があるのだろうか」
このようにお考えの方はいませんか。
電動機は日常の様々なところで使用されていますが、直接目に触れる機会が無いため詳しく知らないという方は多いと思います。
この記事では電動機の種類や特徴などをまとめているので、電動機の基礎知識を身につけましょう。
□電動機の種類とは
電動機は「モーター」とも呼ばれており、電流により生じる電気エネルギーを機械的エネルギーに変えるための装置です。
端子に電線を接続して電気を通すと、モーターがその電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、シャフトに負荷を回そうとする力を発生させ、機械に動力を伝えます。
モーターにはどのような種類があるのかご存じでしょうか。
モーターには様々な種類があり、それぞれの種類によって駆動方法や特徴は異なります。
ここでは、身近に見られることの多いモーターの種類を3つ紹介します。
*DCモーター
1つ目は、直流電源で回転するDCモーターです。
DCモーターは、ブラシがあるかどうかによって、さらに2種類に分類されます。
ブラシ付きDCモーターはDCモーターの中でも特に広く普及しているモーターといわれ、
ブラシ付きDCモーターを回転させるのに必要なのは、直流電源のみといわれてます。
コイルに流れる電流を回転位相に応じて磁極と磁界を切り替えることで回転モーメントを一定方向に保つ動作をします。
一方、ブラシの無いブラシレスモーター(BLDC)は、ブラシ、整流子の機械接点を持たない構造となっており、
代わりに電気スイッチ回路で電流方向と位相を制御して回転、動作させます。
交流移送制御を行う必要がありますが整流子を持たないので、ローター位置の検出に位置センサーを取り付けたセンサー制御や、コイル各相の誘起電力を検出するセンサレス制御など、電気制御回路は複雑になります。
*ACモーター
2つ目は、交流電源で回転するACモーターです。
「単相」と「三相」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
単相は主に一般家庭、三相は産業分野で用いられている交流電流で、
ACモーターは、交流電源が単相か三相かによって分類されます。
単相モーターは、さらに「コンデンサモーター」と「くま取りモーター」の2種類に分類されます。
コンデンサモーターは、電気を蓄える電子部品である「コンデンサ」を用いたモーターで、
くま取りモーターは、くま取りコイル(固定子の鉄心の一部に短絡コイルを巻きつけたもの)を用いたモーターです。
*ステッピングモーター
3つ目は、パルス信号によって一定の回転角度で断続的に回転するモーターです。
電気エネルギーをコイル各相に順番にパルス印加し、この入力パルスに同期動作させるモーターで、
「パルスモーター」とも呼ばれています。
モーター軸に磁石を使用するPM型と、鉄心を使うVR型、磁石と鉄心を組み合わせたハイブリット型に分類されます。
□電動機の駆動方法と特徴とは
上で紹介した3つのモーターの駆動方法や特徴について紹介します。
*DCモーターの駆動方法や特徴
ブラシ付きDCモーターは直流電源のみで動作しますが、ブラシレスモーターは直流電源に加えて駆動回路が必要になります。
制御性に優れており、応答性が高いことから扱いやすいという特徴があり、ACモーターと比較すると高価です。
ブラシ付きDCモーターは、電気回路はとても単純で使いやすいですが、ブラシは摩耗し減るため、ブラシの寿命でモーターの寿命が決まってしまいます。
ブラシ付きDCモーターは、ヘアドライヤーのファンモーターやドリルドライバーのモーターなどに使用されています。
ブラシレスモーターは、ブラシ付きDCモーターに比べて寿命が長く、静音性に優れており、また小型で高出力、低振動といった特徴も揃えています。
そのため、ブラシレスモーターはエアコンや住宅設備、冷蔵庫、給湯器、計測器、自動車、医療機器など様々な用途に使用されています。
*ACモーターの駆動方法や特徴
単相かご形誘導電動機コンデンサモーターと単相かご形誘導電動機くま取りモーターは、単相交流電源で動作します。
駆動させるためにはコンデンサが必要で、三相かご形誘導電動機は、単相交流電源でのみ動作します。
ACモーターは比較的安価で手に入り、大型化・大出力化への対応に優れています。
コンプレッサーやボール盤のモーターなどに使用されています。
*ステッピングモーターの駆動方法や特徴
PM型、VR型、ハイブリット型のすべてが、直流電源と駆動回路によって動作します。
入力電源のパルス数に応じて回転角度を制御し、高精度な制御が可能となっていますが、
応答速度は他の方式と比較すると遅く、パルスを発生させるための電子回路が必要になります。
ステッピングモーターは中低速域のトルクが高く、応答性が鋭いという特徴を備えています。
ブラシレスモーターと比較すると簡単な制御で精密な位置決め運動を行えます。
しかし、位置決め保持時には電流が流れ続けるため、消費電力が大きいという欠点があります。
ステッピングモーターは製造装置や医療機器、分析機器、ATM、レーザープリンターやエアコンのルーバーなどに使用されます。
以上が電動機(モーター)の種類や駆動方法、特徴になります。
電動機(モーター)の修理についてお困りの方はぜひ一度当社にご相談ください。