この記事をご覧の皆さんは、アスベストの危険性や対策工事についていろいろお調べになっていることでしょう。
今回は、アスベストについて対策の必要性や調査、工事についてご説明するので、ぜひ参考にしてください。

□アスベスト対策はなぜ行った方が良いのか?

そもそもアスベストとはどんな物質なのでしょうか。
アスベストとは、石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれる天然の鉱物で、繊維状の鉱物です。熱や摩擦に強い特徴があるので、以前まで建築用の資材として使用されてきました。
アスベストには、白石綿(クリソタイル)、青石綿(クロシドライト)等6種類のタイプがあります。
アスベストは、空気中に浮遊しやすい性質があり、人が吸い込むと肺の肺胞に沈着され、組織内に長く滞留することになります。
滞留した石綿が原因で、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こす危険性があります。
吸入してすぐ症状が出るわけではないので、ご自身に健康被害が発生していることになかなか気づけないのがアスベストの恐ろしい点です。

このため、現在では原則としてアスベストの製造や使用は禁止されています。
しかし、過去に建築された建築物においては、吹付け材や内装材等にアスベストが使用されている可能性があり、放置し続けているとアスベストが飛散するリスクがあります。
したがって、吹付け材にアスベストが使用されている建築物においては、分析調査が実施され、アスベストが飛散する恐れがある場合は、早急に対策工事を行います。

□アスベスト対策の流れについてご紹介!

続いて、アスベスト対策の流れについてご説明します。

まずは、アスベストが使用されていないか調査する必要があります。
調査は、最近建築された建築物においては行う必要はありませんが、建築してからほどほどに年数が経過している場合は、調査をおすすめします。
もし、アスベスト等の使用が疑わしい建築物や場所を見つけたら、本当に含まれているのか早急に調査する必要があります。
この調査には、国と地方公共団体の補助制度である優良建築物等整備事業を活用できるので、ぜひご検討ください。

調査の手順は3ステップあります。

1ステップ目は、アスベスト等の発見です。
露出した状態の吹付けアスベスト等の有無について、建築物を建築した業者へ問い合わせや図面・資料による確認、目視等で調査を行います。

2ステップ目は、サンプリングです。
1ステップ目の調査で、アスベストの有無やどのくらい含有しているのかが不明の場合は、現物をサンプリングして、専門の分析機関に調査を依頼します。
サンプリング時にアスベストが飛散する恐れもあるので、取り扱いは専門の分析機関の方にお任せすることをおすすめします。

3ステップ目は、成分分析です。
専門の分析機関の方が、アスベストの有無や含有率を調査します。
室内空気中にどのくらいアスベスト線維が含まれているのか、濃度を測定したい場合は、住宅性能表示制度における測定方法を参考に分析機関に依頼しましょう。
成分分析の結果から、飛散する恐れがあるアスベストがない(または、含有率が0.1パーセント以下である)場合は、対策工事の必要なく引き続き建物を使用できます。
一方、結果から飛散する恐れがあるアスベストが検出された場合は、健康被害防止のために早急に対策工事を実施しましょう。

□アスベストが利用されている可能性が高い箇所をご紹介!

一般的にアスベストが利用されている可能性が高い箇所は以下のとおりです。

・屋根

・外壁

・内装材

・断熱材

・吹付け材

古い建築物には、屋根材やサイディング材、パーライト板等に混ぜる形でアスベストが混入している可能性があります。
断熱性能を付与する断熱材や、耐火材として利用される吹付け材にも利用されている場合があるので、注意しましょう。

□アスベスト飛散防止のための工法をご紹介!

アスベスト飛散防止のための工事は、大きく3種類あります。

*除去工法

専用の薬剤や道具によってアスベストを下地から除去する方法で、最も確実に建物を安全にする工法と言えます。
ただし、除去工法の場合、作業中にアスベストが飛散してしまう可能性があるので、近隣に他の建物がある場合は悪影響が及ばないようにする必要があります。
シートで養生するなど細心の注意を払いましょう。

*封じ込め工法

封じ込め工法は、アスベストの層を残したまま上から造膜材を散布したり、薬剤を含浸したりすることで、アスベストを固化し飛散を防止する工法です。
建物を解体する際に除去工事が必要になるので、近々取り壊す予定の場合は、除去工法をおすすめします。

*囲い込み工法

除去工法もアスベストの層を残したまま上から板状の材料を取り付ける工法で、飛散や損傷を防止します。
封じ込め工法と同様で、建物を解体する際に除去工事が必要になるので、近々取り壊す予定の場合は、除去工法をおすすめします。

□まとめ

この記事では、アスベスト対策について詳しくご説明しました。
本記事をご覧の皆さんにとって有益な情報となれば幸いです。
大阪府を中心とした近畿圏内で、工場工事やメンテナンス工事をご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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