クーリングタワーを更新したいが、何を選定するべきなのかわからないといったご相談をよくいただきます。
本記事では、クーリングタワーの仕組みついて解説し、工場内にあった適切なクーリングタワーを導入いただく際に参考にいただければと思います。
ぜひお役立てください。

□クーリングタワーとは?

そもそも、クーリングタワーが何をする物なのかご存知でない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、クーリングタワーとは何かという内容をご紹介していきます。

クーリングタワーとは、ビル空調や地域冷暖房設備の冷却水を冷やすための設備を指します。
空調設備の冷却水の温度は、設備が使用されると上昇するので、温度が上がった冷却水がクーリングタワーに送られ、送風機によって強制的に外気と接触することで冷却されるのです。
その後温度が下がった冷却水は、再び冷凍機に戻されるという仕組みです。

クーリングタワーは、温度上昇した冷却水を冷却し、それを空調設備に戻すという循環利用には欠かせない装置だと言えます。

次に、クーリングタワーの原理についてみていきます。
先述したように、冷却水と外気を触れ合わせることで冷却水の温度を下げており、
さらに具体的に説明すると、外気と触れた冷却水の一部が蒸発すると、残りの冷却水の温度が下がる仕組みです。

常温の水では、蒸発の潜熱は約2500キロジュール/キログラムであり、比熱は4.2キロジュール/(キログラム・ケルビン)です。
そのため、1パーセントの水の蒸発が残りの冷却水の温度を6度下げています。

□2種類のクーリングタワーがある!

上記では、クーリングタワーとは何か、原理を交えてご紹介しました。
次にクーリングタワーの種類について説明していきます。
種類が違うと、特徴だけでなく用途も異なるので、知っておくと役に立つことも多いと思います。
そこでこの章では、2種類のクーリングタワーを特徴や用途とともに見ていきます。

1つ目は、開放式のクーリングタワーで、冷却のために外気と水を直接触れさせる方法です。
メリットは、冷却効率が良く、クーリングタワー自体もコンパクトなことで、
反対にデメリットは、冷却水が空気に直接触れるため汚れやすいことです。
それにより、冷凍機や周辺設備のメンテナンス頻度が増えるでしょう。

開放式のクーリングタワーの用途は、一般空調用水冷式冷凍機や地域冷暖房施設の大型冷凍機、大型産業用プロセスの冷却、コジェネレーションシステムのクーリングタワーにも使われています。

2つ目は密閉式の空気と冷却水が直接接触しない方法で、冷却水は銅管コイルの中を通るクーリングタワーです。

非接触のため、冷却効率に関しては開放式に劣りますが、空気と直接触れないため銅管内の冷却水は汚れにくいです。
つまり、開放式では冷凍機やその周辺設備のメンテナンス頻度の高さがデメリットでしたが、密閉式ではその問題を抑えることができます。

密閉式の用途は、一般空調用冷凍機の冷却、データセンターや研究所等重要施設の冷凍機冷却です。
さらに、フリークーリングシステムにも密閉式が導入されています。

□クーリングタワーの仕組みを解説!

ここまで、クーリングタワーとは何か、そしてクーリングタワーの2つの種類について見ていきました。
この章では、クーリングタワーの種類について理解した上でのクーリングタワーの仕組みについて詳しく見ていきます。
なお、下記でご紹介するクーリングタワーは開放式なので、注意いただけますと幸いです。

先述したように、冷凍機をはじめ空調設備で使用されている冷却水の水温は、空調設備が働くと上昇します。
一度冷却水の温度が上昇してしまうと、その水をそのまま使えません。
つまり、冷却水の水温を下げないと再利用できません。

そのため温度が上昇した冷却水をクーリングタワーに送り込み、そこに流れている外気と接触させます。
上記でご紹介したように、開放式であれば冷却水と空気が直接触れる仕組みに、密閉式であれば非接触の仕組みになっています。
クーリングタワーには、送風機によって常に外気が送られているので、いつでも冷却水を冷やせる環境が作られており、
水温が下がった冷却水は、再度空調設備へと戻され、利用されます。

以上、クーリングタワーを利用してどのように冷却水が冷やされ、再び使われているかの流れについてご説明しました。
常に新しい冷却水を空調設備に流し込んでいると思っていた方もいらっしゃったかもしれませんが、
クーリングタワーに送り込まれる外気を利用して冷却することで、一度温度が上昇した冷却水でも、もう一度利用できるような仕組みとなっているため、覚えておくと便利です。

□当社のクーリングタワーの事例をご紹介!

こちらでは、当社のクーリングタワーの事例をご紹介いたします。

クーリングタワー補修工事

こちらの事例はクーリングタワー補修工事の事例です。大阪府にあるとある金属加工業のお客様より、クーリングタワーの補修のご依頼をいただきました。

当社のエンジニアリングスタッフが現地調査を実施し、クーリングタワーの補修工事と周辺設備の更新を実施いたしました。

>>詳しくは、こちら

クーリングタワーファン取替工事

本事例は、クーリングタワーファンの取替工事です。クーリングタワーの上部ファンに錆が発生していることから、不具合が生じておりお客様からご相談をいただきました。弊社にて現地調査を行ったところ、ファンに亀裂が発生していました。そのため、ファンの取り替え作業を必要となり、弊社にて実施させて頂き頂きました。

>>詳しくは、こちら

 

□まとめ

本記事では、クーリングタワーの仕組みについてご紹介しました。
クーリングタワーとは何か、どんな種類があるのかまでご理解いただけましたでしょうか。
本記事を読んでこれまでの疑問を解決していただければ幸いです。
工場のメンテナンスをご検討中の方は、お気軽に当社までご相談ください。

>>お問い合わせはこちら

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