排気ダクト工事は、ビル、工場、レストランなど様々な施設で重要な役割を果たしています。これらの施設では、内部の空気品質を維持するために、室内の汚染された空気を効率的に外部に排出する必要があります。この記事では、排気ダクト工事の重要性、役割、および実施する際の注意点、ダクトを効率的に運用するためのメンテナンス工事について解説します。
また、排気ダクトとその他の違いにも触れ、どのようにしてこれらのシステムが室内の空気品質を向上させるのかを説明します。

排気ダクト工事の重要性

建物内の空気品質は、そこで過ごす人々の健康と快適性に直接影響を与えます。特に、工場やレストランなど、煙、蒸気、油煙、有害物質、粉塵などが発生する場所では、これらの汚染物質を効果的に排出することが不可欠です。排気ダクト工事によって設置される排気システムは、これらの汚染物質を室外に排出し、作業環境の改善、労働者の健康保護、および環境コンプライアンスを実現します。

排気ダクトメンテナンスの重要性

製造業の工場において排気ダクトは、排気、換気、空調、煙排出など様々な重要な役割をになっているため、排気ダクトの故障は製造ライン全体へ影響します。工場全体の生産性が低下するだけでなく、従業員の健康被害やダクトの修理コストやまた、他の設備の生産停止や追加の労務費用も含めると、修理コストは非常に高額になります。

排気ダクトの耐用年数は平均で約10~15年と言われており、使用環境次第で大きく左右されるため、ダクトのメンテナンスを日常的に行うことは非常に重要になります。

排気ダクトとその他のダクトの違い

場では主に煙、蒸気、油煙、有害物質などを排出するための排気ダクトが使用されますが、それ以外にも用途や役割によって様々な種類のダクトが存在しますので、いくつかご紹介します。

排気ダクトと換気ダクトの違い

排気ダクトは、室内の汚染された空気を外部に排出するために設計されています。これに対し、換気ダクトは外部から新鮮な空気を室内に導入する役割を持ちます。これら二つは互いに補完関係にあり、効果的な空気の入れ替えを実現するためには、両方が適切に機能している必要があります。

空調ダクト

空調ダクトは、建物内の空気を適切に分配し、室内の温度や湿度を一定に保つために使用されます。主な用途は、オフィスビルや商業施設、工場などで空気を供給するための送風路として、空気の取り入れ口から各部屋へ新鮮な空気を送り出す一方で、汚れた空気を排出する役割も果たします。
空調ダクトが使用される環境は、データセンターやクリーンルームなどの温度や湿度の管理が重要な場所です。また、湿気や化学物質が多い場所では、耐腐食性や防水性を持つダクトが選ばれます。空調ダクトの適切な設置と管理により、室内環境の快適性とエネルギー効率が大きく向上します。

 

厨房排気ダクト

厨房排気ダクトと聞くと、飲食店の厨房などのイメージが強いですが食品工場などでも多く使用されます。こちらの厨房排気ダクトは調理中に発生する高温の空気や煙、油煙、蒸気、臭気などを排出するために使用され、厨房内の空気を清潔に保ち、火災リスクを低減しまするために高い換気能力が求められます。

集塵ダクト

集塵ダクトは、工場や作業現場で発生する粉塵や微細な粒子を効率的に集め、空気中から取り除くために使用されるダクトです。これにより、作業環境の安全性と衛生を確保することができます。
集塵ダクトの特徴として硬くて鋭い粉塵や粒子に耐えるため、耐摩耗性に優れた材質を使われているものや強力な吸引力を持つファンやフィルターが組み込まれているものが多いです。

排煙ダクト

排煙ダクトは、火災時に発生する煙や有害ガスを迅速に建物外へ排出するための重要な設備であり、工場や倉庫、高層ビルなどの可燃性の物が多い場所や人が密集している場所で災害の被害を最小に抑えるために重要な役割を果たすダクトになります。

 

排気ダクト工事のプロセス

排気ダクト工事は、以下のステップで進められます。

  1. 現場調査と計画: 専門家が現場を調査し、必要な排気ダクトのサイズ、形状、および配置を決定します。
  2. 設計と見積り: 調査結果に基づき、最適な排気ダクトシステムの設計と見積りを行います。
  3. 施工: 承認された計画に従って、排気ダクトの製作から設置までを行います。
  4. メンテナンスとアフターサポート: 工事完了後も定期的なメンテナンスと必要に応じたサポートを提供します。

注意点と解決策

  • 専門家との連携: 排気ダクト工事は専門的な知識を要するため、経験豊富なプロフェッショナルと連携することが重要です。
  • 環境規制の遵守: 地域によっては排気ダクトの設置に関する規制があります。これらの規制を遵守することが必要です。
  • 定期的なメンテナンス: 効率的な運用を維持するためには、定期的な清掃とメンテナンスが必須です。

ダクトメンテナンス方法の紹介

実際の排気ダクトのメンテナンス方法を紹介します。

1.ダクト内部の清掃

排気ダクトの内部に堆積した粉塵や油脂分などを放置すると空気の流れを妨げ運動効率の低下につながります。定期的な目視の確認だけでなく、専門業者による高圧洗浄やブラシなどを用いた定期メンテナンスが重要です。

2.フィルター清掃・交換

排気ダクトに設置されているフィルターは目詰まりを起こすと、排気効率が低下し、ダクトに余計な負荷がかかることでエネルギー効率が低下するため、定期的にフィルターの清掃と交換をする必要があります。

フィルターの清掃として、エアコンプレッサーで表面に付着した粉塵や汚れを飛ばしたり、またフィルターの劣化が進んでいる場合はフィルターの交換が必要になります。

3.排気ファンの点検・設備工事

排気ダクトのファンが正常に動作しないと、ダクトの排気能力が低下することによって工場内に有害物質が滞留することで事故や健康被害の恐れがあります。具体的なメンテナンス工事例として、排気ファンは故障前に異音などの初期症状が現れるためファンのベアリングやモーターの動作点検や各部品の潤滑油の補充などを行う必要があります。

4.腐食部分のメンテナンス工事

化学部品や湿気が多い環境下で稼働する工場では、化学物質などによりダクトに錆びや腐食が進行することが多々あります。ダクトの腐食部が一部であれば部分的な修理や表面修理で解決しますが、放っておくとダクト自体の交換が必要になり工事コストが高くなるだけでなく工場全体の生産性にも大きく影響するため、異常発見時には素早いメンテナンス工事が必須となります。具体的なメンテナンス工事として、腐食部分の表面研磨や該当部分を取り除くことで金属プレートの溶接を行い、防錆塗料などを塗布することで再発防止に努めます。

5.断熱材工事

上述でもある通り、工場の排気ダクトは工場内の空気や熱を運ぶ重要な役割を果たしていますが、保温メンテナンスが定期的に行われておらず、ダクトが外部にむき出しになっていると工場内外の温度差により配管や天井などに結露が発生し、腐食や水漏れなどの問題に発展します。

メンテナンス工事内容としては、ダクトに保温材と使用環境に応じた適切な断熱材の設置を専門業者が行う必要があります。こちらの二つを設置することによりダクトの運転効率改善と断熱材による火災リスクの低減により設備の寿命を延ばすことが可能です。

当社の排気ダクト事例をご紹介!

【コンプレッサ室の高温対策】排気ダクト設計・製作・新設工事

工事の背景・工事前の課題

お客様から、コンプレッサー室が高温になっており対策したいといったご相談をいただきました。具体的には、コンプレッサー室が冬場にもかかわらず35℃になっているため、

夏場になると機器の故障が懸念されるため早期に対応してほしいとのことでした。
そこで、当社は排気ダクトの導入をご提案いたしました。

改善効果・当社からの提案

当社はまず、実地に現場調査を実施し、問題の詳細を把握しました。遮熱工事を含む複数の解決策を検討した結果、コストパフォーマンスを考慮し、ダクトによる換気改善策を推奨しました。この提案では、コンプレッサーの適切な機器選定から設置までを一手に担い、排気ダクトを利用した換気システムを採用することで室内温度を効果的に下げることが可能となりました。この措置により、機器のトリップリスクを減少させ、運用コストの削減を実現しました。

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排気ダクト設置工事

工場の背景・工場前の課題

新規設備設置にあたり、室内から蒸気を逃がす手段がなく、排気ダクトを設置する依頼があった。 機器:蒸気を発する機械 蓋を開けた際に、多くの蒸気が出る。 蒸気の排出量、設置箇所の広さに合わせた適切なファンの設置数・性能を選定する必要がありました。

改善効果・当社からの提案

まず設備近くに蒸気を吸い寄せるフードを設置いたしました。 その後、現場に合わせて排気用ファンの性能を選定し、設置 をいたしました。その他、ダンパー ・スパイラルダクトの設置も実施しました。

このように、当社はダクト工事・排気ファンなどの空調設備の工事実績が豊富です。現場に合わせた最適な提案をいたしますので、ぜひご相談ください。

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まとめ

排気ダクト工事は、室内の空気品質を維持し、健康と安全を確保するために不可欠です。適切な設計、施工、およびメンテナンスにより、これらのシステムは長期にわたって効果的に機能します。専門家と連携し、規制を遵守することで、効率的かつ効果的な排気システムを実現できます。

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