ホイストクレーンを所有されている方の中には、ホイストクレーンの点検が本当に必要なのか疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、ホイストクレーンやホイストクレーンの点検についてご説明します。

□ホイストクレーンについてご紹介!

ホイストクレーンは、外観の形式によって、テルハ、天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーンの4つのタイプに大きく分類できます。
この4つのタイプから、さらに設置状態やガーダーの形式、走行方法の違いによって細かく分類されています。
本記事では、テルハ、天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーンのそれぞれの特徴をご説明します。

*テルハ

テルハは、ホイストによる荷の上げ下げと、ランウェイに沿った線の移動をする二次元運動のホイストクレーンのことを言います。
テルハのランウェイには通常I形鋼が使用されており、ランウェイが1本のものを通称モノレールホイストと言います。
これは、直線、曲線、エンドレスのループ状等、種々の形に施設された1本の横行レールの下に、トロリをもったホイストが1台~数台懸架され、レールに沿って横行します。

*天井クレーン

一般的に、ホイスト式天井クレーンと呼ばれています。
天井走行形のホイストクレーンは、ランウェイの建屋への取付け状態やサドルの形式によって、トップランニング形とサスペンション形があります。
建物の両壁または柱等を利用して、天井近くに設置された左右二本のランウェイの上を走行する形式のホイスト式クレーンです。
天井クレーンは最も一般的で、工場等であらゆる用途に広く用いられています。

*橋形クレーン

橋形クレーンの他にも片脚形クレーンと呼ばれるものもあります。

*ジブクレーン

ポスト形ジブクレーンとホイスト式壁クレーンがあります。
ホイスト式壁クレーンは、さらに固定形壁クレーンと走行形壁クレーンに分類できます。

□ホイストクレーンの検査をご紹介!

クレーンを所持している場合、クレーンの点検を定期的に行う必要があると、各種法令によって義務付けられています。
クレーンは重量物を扱う機械なので、定期的に検査を行い労災事故を未然に防げるようにする必要があります。
ここでは、4つの検査についてご説明します。

1つ目は、年次定期自主検査です。
労働安全衛生法と同法に基づくクレーン等安全規則により、クレーン設置後、1年ごとに1回、所定の項目において年次定期自主検査を行う必要があります。
年次定期自主検査は、吊り上げ荷重が500kg以上のクレーンを、1年に1回でも使用する場合に適用されます。

点検項目は次の2つがあります。

・構造部分や機械部分、電気部分、ワイヤーロープ、吊り具、基礎部分等に異常はないか

・荷重試験(定格荷重に相当する荷重の荷をクレーンに吊って動作に異常がないか確認)

2つ目は、月次定期自主検査です。
クレーン設置後、1ヶ月ごとに1回、所定の項目において月次定期自主検査を行う必要があります。
月次定期自主検査は、吊り上げ荷重が500kg以上のクレーンに対して、1月に1回でも使用する場合に適用されます。

点検項目は次の5つがあります。

・巻過防止装置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラッチに異常はないか

・ワイヤーロープ及び吊りチェーンに損傷はないか

・フックやグラブバケット等の吊り具に損傷はないか

・配線や配電盤、集電装置、開閉器、コントローラー等に異常はないか

・レールロープやガイロープ、メインロープを緊結している部分に異常はないか(ケーブルクレーンの場合)

3つ目は、作業開始前の点検です。
作業を開始する前に1日1回、クレーンの点検を行う必要があります。
作業開始前の点検は、吊り上げ荷重500kg以上のクレーンに関して適用されます。

点検項目は次の2つがあります。

・ブレーキやクラッチ、巻過防止装置、コントローラーの機能に異常はないか

・ランウェイの上及びトロリが横行するレールの状態

・ワイヤーロープが通っている箇所の状態

4つ目は、地震後や暴風後に行う点検です。
屋外に設置されているクレーンに、震度4以上の地震が起こった場合や瞬間風速が秒速30m以上の風が吹いた場合に、作業再開前に点検を行う必要があります。
明確な点検項目はありませんが、各部に異常が無いことを確認してから作業を再開するようにしてください。

□ホイストクレーンを点検するメリットをご紹介!

法令点検を定期的に実施することで得られるメリットはいくつもあります。
主なメリットとしては、次の2つがあります。

・突発事故の発生を未然に防ぎ、大切な設備を長く使える

・専門のサービスエンジニアによる検査で、不具合箇所の早期発見・早期対応が可能となり、無駄な維持費を削減できる

□当社の施工事例をご紹介!

続いて、当社のホイストクレーンの施工事例をご紹介いたします。

1.天井クレーン 改良工事

詳細

加工内容 :天井クレーンの切替
顧客業務 :金属加工
施工設備 :天井クレーン
工期   : 1日

工事の背景・工事前の課題

お客様から、1人 約2時間 2.8t吊りの天井クレーンに対して、有線操作スイッチ(ペンダントスイッチ) から無線操作スイッチしたいとのご依頼を頂き、当社にご相談頂きました。

改善効果・当社からの提案

当社では、このような有線操作スイッチから無線操作スイッチによる切替実績が多くあり、協力会社様と共に対応致しました。

>>詳しくはこちら

2.天井クレーン改良工事(有線→無線)

詳細

加工内容 :天井クレーン入替工事
顧客業務 :プラント
施工設備 :天井クレーン
工期   : 1日

工事の背景・工事前の課題

お客様より。有線の天井クレーンを無線の天井クレーンに入れ替えてほしいとのご相談をいただきました。

改善効果・当社からの提案

そこで当社は、既設のクレーンは有線操作スイッチ(ペンダントスイッチ)をしていたため、無線装置スイッチに更新致しました。

>>詳しくはこちら

3.材料用クレーン取付工事

詳細

加工内容 :クレーン取付工事
顧客業務 :化学・プラント
施工設備 :クレーン
工期   : 1日

工事の背景・工事前の課題

お客様より、材料用クレーンの設置工事についてご相談をいただきました。

改善効果・当社からの提案

まず初めに当社は、現場調査を行いました。その後、作業においては、高所作業車使用にて安全作業で実施しました。

>>詳しくはこちら

 

上記の事例以外にも当社では、多数のクレーンの施工実績がございます。

下記から他のクーレンの施工事例をご覧いただけますので、ご確認ください。

>>クレーンの施工事例はこちら

□まとめ

本記事では、ホイストクレーンやホイストクレーンの点検についてご説明しました。
ホイストクレーンの法令点検をお考えの方の参考になれば幸いです。
当社は、大阪府を中心に近畿圏内の工場工事やメンテナンス工事を行っておりますので、お気軽にご依頼ください。

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