工場の生産ラインや設備には、多種多様なタンクが使用されていますが、長期間の稼働により、タンク内部の劣化や漏れが発生するなどのトラブルが発生することが多くあります。本記事では、工場で使用されるタンクの役割から、補修・更新工事のポイントまでを詳しく解説します。
工場で使用されるタンクの役割
工場では、生産に使用する水や薬液、燃料、冷却水、廃液などを貯蔵・循環させるために、さまざまな種類のタンクが設置されています。
タンクは単なる「貯留容器」ではなく、製品品質や生産効率を左右する重要な設備の一つです。
例えば、食品工場ではステンレス製タンクが使用され、衛生面や腐食防止が重視されます。
一方、化学プラントでは、耐薬品性を持つFRP(繊維強化プラスチック)やPVC(塩化ビニル)製のタンクが採用されます。
また、工場内ではタンクが連結された配管システムによって、生産工程の自動化が進められている場合も多く、タンクの状態が悪化すると、工程全体に影響を及ぼすことがあります。
そのため、定期的な点検や補修工事は不可欠です。
特に「タンク補修」や「タンク更新」は、工場稼働を止めずに効率よく進めるための重要なメンテナンス作業となります。
タンクでよく発生するトラブル
工場で長期間使用されるタンクには、経年劣化や外的要因による様々なトラブルが発生します。ここでは代表的な3つのトラブルを取り上げ、それぞれの原因と対策について詳しく解説します。
タンクから液体が漏れる
最も多いトラブルが「液漏れ」です。原因としては、溶接部の劣化、パッキンの劣化、または金属疲労などが挙げられます。
特に鉄製タンクでは、内部に発生する錆や腐食によってピンホール(微細な穴)が生じることがあります。これを放置すると、漏れ出した液体が周辺機器を腐食させたり、床面に広がって滑り事故を誘発する危険があります。
内部が清掃できておらず衛生面が心配
タンク内部は、長期間の使用によりスケール(付着物)や汚れが堆積します。
特に食品・飲料・医薬品工場では、これが品質不良の原因となるため、定期的な内部清掃が必要です。
しかし、内部の形状が複雑なタンクや密閉構造のタンクでは、清掃が困難な場合があります。
タンクに亀裂等が入っている
金属疲労や熱膨張収縮の繰り返しによって、タンクの溶接部や本体に亀裂が生じることがあります。この亀裂は一見小さく見えても、内部圧力や液体の性質によって急速に広がる危険性があります。最終的には、液漏れや構造体の破断といった重大な事故に繋がる可能性があるため、早期の対策、修理が必要です。
補修工事のポイント
工場タンクの補修工事では、現場状況やタンクの種類、損傷部位によって最適な方法を選ぶ必要があります。ここでは代表的な補修工事のポイントと流れをまとめます。
液漏れへの補修工事
漏水が発生した場合は、全体の損傷状況を調査した上で、必要に応じて溶接修理やシーリングの再施工を実施します。FRPタンクの場合は、補修材の適切選定や剥離部再接着など高度な技術を要します。また、恒久的な対策として配管系統の見直しや付帯設備更新も検討されます。
衛生面対策とクリーニング工事
内部衛生が懸念される場合は、高圧洗浄機や専用クリーナーを用いたサニタリー洗浄を徹底します。洗浄作業ではタンク材質へのダメージを避けるため、適切な洗浄方式・薬剤選定が重要です。食品工場では、洗浄履歴管理やATP検査(微生物汚染検査)を取り入れた衛生監視体制の整備も求められます。
亀裂・変形部の補修工事
亀裂や変形が発見された場合、部分的なパッチ溶接や補強材の追加、必要に応じて部位ごとに部材交換を行います。法定基準に基づいた修理を徹底し、再発防止策として負荷分散や機械振動対策も講じるのが一般的です。また修理後には、耐圧検査や寸法検査を実施して安全性の再確認が欠かせません。
また、当社はタンクの補修工事のみならず、設置工事や更新工事にも対応しております。
当社のタンク更新・補修工事事例
ジャケットタンク更新及びSUS配管更新

ジャケットタンクの底部から水漏れが発生し、設備の稼働に支障をきたしていました。お客様よりジャケットタンクの更新をご依頼いただきましたが、設計図面が存在しなかったため、現場での正確な寸法取りから材料手配、施工までを一貫して対応する必要がありました。
さらに、既設の25A配管では内容物が固まりやすく、出口部で詰まりが頻発するという課題も抱えていました。
現地調査の結果をもとに迅速に材料を発注し、丁寧な施工を実施したことで、タンク底部からの水漏れは完全に解消されました。これにより設備の信頼性が大幅に向上しました。
また、出口側の配管を25Aから40Aへ変更したことで、内容物の詰まりリスクが大幅に軽減され、設備の稼働効率および安定性が向上しました。図面のない状況でも、現場での正確な採寸と柔軟な対応により、更新工事をスムーズに完了させることができた事例です。
タンク補修工事

大阪府内の工場より、PEタンクの補修依頼をいただきました。
対象となるタンクは高額な設備であったため、新品への交換ではなく、樹脂溶接によって新たに購入した蓋を取り付ける補修方法をご提案いたしました。
圧力容器・タンクジャケット溶接補修

お客様より、SUS製圧力容器および鉄製タンクジャケットの補修工事をご依頼いただきました。
SUS製圧力容器ではピンホールが原因となるガス漏れが発生しており、鉄製タンクジャケットでは腐食による穴あきから水漏れが確認されました。
まず、SUS製圧力容器については、ピンホール箇所を慎重に特定したうえで、溶接棒を用いた補修を実施しました。その結果、ガス漏れは完全に解消され、容器本来の機能が回復しました。
一方、鉄製タンクジャケットに関しては、下部に小さな穴が見つかりましたが、腐食が進行しており通常の溶接による修理が困難な状態でした。そこで、水中パテを用いた応急補修を行い、一時的ではあるものの水漏れを防止することができま
タンクの更新、補修工事は工場工事・メンテナンス大阪.comにお任せください
いかがでしたでしょうか。今回は工場で使用されるタンクの役割から、補修・更新工事のポイントについてご紹介しました。工場工事・メンテナンス大阪.comを運営する株式会社藤浪では、タンクの更新、補修工事の豊富な実績がございます。お困りの方はお気軽にご相談ください。







