「ホイスト式クレーンにはどれくらいの種類があるのか知りたい」
「ホイスト式クレーンを使用する際の注意点を知りたい」
このようにお考えの方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、こういったことに詳しい方は丁寧に教えてくれる方は少ないですよね。
そこで今回は、ホイスト式クレーンの構造について種類の観点から紹介します。

□ホイスト式クレーンの種類について紹介

ここではホイスト式クレーンにはどういった種類があるのかを紹介します。
しかし、その前にクレーンの定義について確認しておく必要があります。
クレーンとそうでないものとの違いすらわからないと思うので、クレーンの定義を紹介します。

クレーンとは、荷物を動力を用いて吊り上げて、これを水平に移動することを目的とした機械装置のことです。
これはクレーン等安全規則で、上記のように説明されています。

ここで大切なのは、荷物を吊り上げたり、移動させたりする時には必ず動力を使用するということです。
これらの作業のうちどちらかを人力で行う場合は、クレーンには該当しないという点に気をつけてください。
横行装置があって巻き上げに動力を用いている機械のことをクレーンと呼びます。

では、ホイスト式クレーンの種類についてみていきましょう。
このクレーンは、外観や構造、性能、用途によって分類可能です。
ここでは外観の違いからそれぞれの種類について紹介します。

・テルハ
こちらはモノレール形式とダブルレール形式があり、手押走行、鎖動走行、電動走行が可能です。

・天井クレーン
こちらはトップランニング形とサスペンション形でモノレール形とダブルレール形があります。
そして、手押走行、鎖動走行、電動走行が可能です。

一般的にはホイスト式天井クレーンと呼んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
天井近くに左右2本のランウェイを設置して、そこを走行するといった形が多いでしょう。
形式的には最も普及しているものなので、あらゆる用途で採用されています。

・橋型クレーン
こちらもモノレール形式とダブルレール形式があり、手押走行または手押横行、電動走行が可能です。
両端に脚を設け、地上に設置したレール上を走行するものです。
片側を建屋側に取付けた走行レール上に設置する「片脚橋形クレーン」もあります。

・ジブクレーン
柱形と壁取り付け形と走行壁形に分けられます。
前者はモノレール形で、後者はモノレール形とダブルレール形です。
電動走行が可能です。

旋回する腕(ジブ)の先端にあるチェンブロックなどで荷物を吊り上げ運搬するクレーンです。
設置が容易なクレーンで、容量が500kg未満であれば免許や資格が不要です。

□ホイスト式クレーンを使用方法と注意点を紹介

ここからは使用方法と使用時の注意点を紹介します。
使用方法を誤ってしまうと、吊り上げた荷物を落としたり、感電したりする恐れがあるので、十分に気をつけてくださいね。

・取扱説明書及び注意銘板の内容を熟知しない人は運転しない
・法定資格のない人は操作、玉掛け業務をしない、行わせない

・作業開始前の点検や定期自主検査の実施
年次、月次などの一定の期間ごとにクレーンの各部分に異常が発生していないかを確認しましょう。
作業開始前の点検も忘れずに行いましょう。

・定格荷重を超える荷を吊らない
常用荷重は必ず定格値を超えない注意が必要です。
過荷重で運転すると、ギヤや軸受け等の損傷、ワイヤロープの疲労、電動機の焼損等の故障の原図となりますので、気を付けましょう。

・吊り上げた荷物に人は乗らない
荷物は吊り上げた状態では不安定なので、乗ってはいけません。

・吊った荷物の下に入らない
・荷の動く範囲に人がいるときは運転しない
・人の頭上を超えて荷を運搬しない
・荷を吊った状態で運転位置を離れない

・地球づりをしない
地球づりとは、建屋構造物に引っ掛けることを指します。

・巻き下げ時には下限を超えて運転しない

・押しボタンスイッチの指示と違う方向に動くときは使用しない
暴走を起こす可能性があるので気をつけてください。

・使用前にブレーキの動作確認をする

・損傷がある、異音や振動が見受けられる場合は運転しない
部品が破損し事故になる恐れがあります。

・ワイヤロープに形くずれや腐食などの異常がある場合は運転しない
ワイヤロープの切断事故の恐れがあります。

・宙吊りした荷を電気溶接しない
・ワイヤロープに溶接機のアースを接続しない

・ワイヤロープに溶接用電極を接触させない
ワイヤロープの切断事故の恐れがあります。

・定格電圧以外で使用しない
・負荷時間率始動頻度を超える使用はしない
・フックが円滑に回転するかを確認する
・ホイストの担当者を決める

これらの他にも使用時の注意点はあるので、しっかりと取り扱い説明書を確認しておきましょう。 

□まとめ

今回は、ホイスト式クレーンの構造について種類の観点から紹介しました。
ホイスト式クレーンは外観から種類が分けられることをご理解いただけましたでしょうか。
使用時には紹介した注意点を参考にしてくださいね。

 

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