皆さんは、チラー配管を洗浄するべき理由についてご存知でしょうか。
普段は洗浄の必要性を意識せずにそのままにしておくと、健康面等含めて影響が出る恐れがあります。
そこで今回は、チラー配管を洗浄するべき理由について解説します。
また、どのような化学洗浄剤があるのか、配管を綺麗に保つためのコツについても解説します。
□配管洗浄をする理由とは?
チラー配管の中にはスライムや藻などの多くの汚れが存在しています。
また、清掃を怠れば、その汚れは拡大していくかもしれません。
それだけでなくて、配管内はレジオネラ属菌が増殖する場として、徹底的に清潔を保つべき箇所です。
ここでは、配管洗浄するべき理由について3つ解説します。
ぜひチェックしてみてください。
まず1つ目は、スライムや藻の増殖を防ぐためです。
配管内には、スライムや藻に加えて水垢や菌類も生息しやすい状態です。
それゆえ、一般家庭の排水溝と同様にスライムと水垢だけでも汚いと感じる状態になります。
定期的な掃除をする必要があります。
2つ目は、レジオネラ属菌の増殖を防ぐためです。
レジオネラ属菌は人体に影響を与える菌類です。
スライムや藻を放置すると、レジオネラ属菌が生じる環境を維持しているのと同様です。
また、菌類は細かな部分にも付着しやすいです。
それゆえ、配管内に生息する場合があります。
定期的に掃除を行い、清潔な状態を保つ必要があります。
3つ目は、冷却水などの水質悪化を防ぐためです。
スライムや藻をはじめ、レジオネラ属菌に汚染された冷却水は使用し続けると健康被害を生じます。
配管内にレジオネラ属菌が生息している場合でも流れる水に菌が付着します。
また、エアロゾルとして外に排出されます。
エアロゾルを吸引すれば、レジオネラ症を発症する可能性があります。
それゆえ、配管洗浄は必須です。
以上が配管掃除をする理由についてでした。
このような理由を踏まえて配管掃除をする必要があります。
その点を把握しておきましょう。
□どんな化学洗浄剤が使用されている?種類についてご紹介!
ここまでは、配管洗浄をする理由について解説しました。
ここでは、実際にどのような化学洗浄剤を使用して清掃しているのか解説していきます。
*シリカスケール洗浄剤
フッ化水素酸(HF)を添加した洗浄剤です。
シリカ主体のスケールは硬質なため塩酸などでは溶解できないです。
また、塩酸などの洗浄液に添加して使用します。
洗浄後は、苛性ソーダで中和処理して産業廃棄物として処分します。
*有機物スライム主体のスケール洗浄剤
過酸化水素(H2O2)の洗浄剤、濃度10%以下に希釈し使用します。
細菌や藻などスライム類の繁殖を酸化分解します。
過酸化水素の濃度が薄いものはオキシドール消毒液です。
そして、洗浄後は過酸化酸素分解剤を添加して、残留過酸化水素を水と酸素に分解し無害化します。
*カルシウムスケール洗浄剤
塩酸(Hcl)主体で濃度は10%以下(劇物の指定範囲外)の洗浄剤です。
カルシウム主体のスケールは比較的簡単に溶解できます。
そして、洗浄後はアルカリ剤で中和処理して産業廃棄物として処分します。
□配管を常に清潔に保つコツについて
ここまでは、配管洗浄をするべき理由や化学洗浄材の種類について解説しました。
ここからは、配管を実際に清潔に保つコツについて解説します。
ぜひチェックしてみてください。
まず1つ目は、定期的な冷却水系洗浄を行うことです。
配管の法定点検は法律で定められています。
使用期間に1ヶ月以内にごとに1回汚れ状況の点検を行いましょう。
そして、必要に応じて清掃・換水などを実施することが大切です。
2つ目は、ろ過器などの機材を徹底的に洗浄することです。
配管内のろ過器のろ材は特にレジオネラ属菌が生じやすい箇所です。
それゆえ、放置すればレジオネラ菌が発症する原因となるでしょう。
入念に洗浄することが大切です。
薬品を使用したり、毎日逆洗したりするなどの徹底的な対策をするようにしましょう。
また、普段使用しない配管等にも目を向けるようにしましょう。
使用していないからと言って安心してはいけません。
菌類は増殖する可能性があることを押さえておきましょう。
3つ目は、薬品の有効成分濃度の確認をすることです。
除菌剤等の薬品を使用している場合には、安心して有効成分濃度を確認していないこともあるでしょう。
定期的に有効成分濃度を確認するようにしてください。
また、水質保持に効果があるのか知っておくことも大切です。
薬品の効力がなくなる時期を記録しておくと良いです。
ルーティン化するとさらに良いでしょう。
□まとめ
今回は、チラー配管を洗浄するべき理由について解説しました。
配管洗浄を怠ると、スライムの増殖や健康被害が生じるため、洗浄は定期的にする必要があります。
また、どのような化学洗浄剤があるのか、配管を綺麗に保つためのコツについても解説しました。
配管を綺麗に保つコツをぜひ実践してみてください。