コンプレッサーをお使いの方には、最近トラブルが多いと悩まれている方も多いのではないでしょうか。
コンプレッサーは、夏場にトラブルが多くなる機械のひとつです。

そこで今回は、コンプレッサーの調子に深く関係する吸気温度についてと、省エネする方法について紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。

□コンプレッサーの吸気温度について

コンプレッサーは、大気を圧縮して送気する機械です。
大規模工場はもちろん、中小規模の工場でもほぼ例外なくコンプレッサーからつくられる圧縮空気を使用しています。
ブローエア、アクチュエータ、エアバブリングや制御用エアなど多用途に使用される圧縮空気は生産設備等に欠くことができない要素と言えます。

コンプレッサーの調子が悪くなる原因のひとつに、吸気温度が上昇していることが挙げられます
暑い季節は外気の気温が高く、その空気を吸気することでコンプレッサーの運転状態に影響しているのです。
運転の効率が悪くなったり、トラブルを引き起こしやすくなったりします。

コンプレッサーは吸気温度が低い方が稼働効率が良く、例えば30度の温度を20度に下げるだけで動力比が4パーセント上昇します。
これから暑くなる季節なので、吸気温度を低くする工夫が必要です。

まずは、現在の機械室の環境を見直してみましょう。
例えば、換気設備を設置していても、空気の流れが上手くできていないと外気が滞留してしまいます。

また、暖かい空気は高いところに溜まり、冷たい空気は低いところに溜まります。
その特徴を踏まえて換気設備を設置している場所が考慮されていないと、換気効率が悪くなってしまいます。

換気設備の状態を改善することによって機械室自体の気温を下げられれば、コンプレッサーの吸気温度を低下させられます。
その結果、機械の運転効率アップや不具合の解消につながるでしょう。

□コンプレッサーの省エネ方法をご紹介!

工場で使用する設備の中には、電気を使用するものがたくさんあります。
なかでもコンプレッサーは工場の電気使用量の2割から3割を占めています。
そのため、コンプレッサーの省エネ対策を行うことは電気料金を大幅に削減することにつながります。

ここでは、コンプレッサーを使用するうえでできる省エネ方法を4つ紹介します。

1つ目は、高効率コンプレッサーを使用することです。
機種の効率は使用電力量に大きく影響します。
使用する機会は、効率が高いものを使用する方が省エネになります。
初期費用がかかったとしても、長期的視野で見た場合には節約につながるでしょう。

2つ目は、機械の台数を制御することです。
圧縮空気の圧力や空気量などを監視・制御して、余剰に運転している台数があればカットすることも効果的です。

3つ目は、コンプレッサーの吐出圧力を低減することです。
コンプレッサーの吐出圧力は消費電力と密接に関係しています。
一般的には、吐出圧力を下げられれば電力消費量低減が可能と言われています。
例えば、コンプレッサーの吐出圧力を0.7MPaから0.6MPaに減らした場合には、消費電力の9パーセント削減につながるという調査もあります。

4つ目は、エア漏れ量の低減です。
コンプレッサーにエア漏れがあると、せっかくつくった圧縮空気の一部が無駄になってしまいます。
エア漏れは、次の3つのステップで確認できます。

1.レシーバタンクの圧力計で圧力降下時間を測定する
2.タンク圧力が0.1MPa低下する時間を計測する
3.圧縮空気漏れ量の算出式より圧縮空気の漏れ量を算出する

圧縮空気漏れ量は、タンク容積に降下圧力を0.1で割ったものをかけ、60を圧力降下にかかった時間(秒)で割ったものをかけることで求められます。
この式より、圧縮空気の単価を3円だとすると、例えば漏洩箇所が4か所あった場合には年間で約83万円分の損失が発生していることになります。

エア漏れを改善することで、損失を回収できれば効果は大きいでしょう。

5つ目は、コンプレッサーの吸入温度を下げることです。
先ほどは吸気温度を下げることで、設備の稼働効率を上げられるとお伝えしました。
このことからもわかるように、吸気温度を下げることは省エネにもつながります。

6つ目は、圧縮空気供給配管を改善することです。
圧縮空気のエネルギーは、配管、継手、フィルタ及びバルブなどで圧力損失を生じます。
そのため、コンプレッサーの吐出圧力を上げる必要性が生じ、装置稼働に支障をきたしたり、エネルギーを増加させたりすることにつながります。

そこで効果的なのが、エア配管のループ化です。
エア配管をループ化することで、供給までの間の圧力損失を低減し、圧縮空気の流量の改善が可能です。

今回紹介した省エネ対策をうまく組み合わせて、より効果的に消費電力を減らすことをおすすめします。

□まとめ

今回は、コンプレッサーの吸気温度についてと、省エネの方法について詳しくお伝えしました。
ぜひ参考にして、コンプレッサーの運転効率を高めることでコストカットにお役立てください。

 

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