工作機械のメンテナンスについてご紹介

工作機械とは

工作機械とは、金属やその他の材料を加工して部品や製品を製造するための機械装置を指します。旋盤、フライス盤、マシニングセンタなど、多種多様な種類が存在し、製造業の中核を担う設備です。工作機械は高精度な加工を可能にし、生産ラインの効率化に寄与しています。

工作機械のメンテナンスの重要性

工作機械の定期的なメンテナンスは、機械の寿命を延ばし、故障を未然に防ぐために不可欠です。適切なメンテナンスを行うことで、機械の性能を最適な状態に保ち、生産性の向上や製品品質の維持につながります。

工作機械のメンテナンスを怠った場合、機械の故障や生産性の低下、そして安全性の問題といったさまざまなリスクが発生します。また、部品の摩耗や劣化をそのまま放

置すると、重大なトラブルにつながることがあり、特に切粉がたまるとボールねじやベアリングが故障する原因になります。そして、機械の性能が落ちると加工精度が悪化し、製品の品質にも影響を与えます。さらに、機械の不具合は作業者の安全を脅かし、事故やケガにつながる可能性もあるため、こうしたリスクを防ぐには、定期的なメンテナンスを行うことで、摩耗部品を交換したり潤滑油を補充したりすることで、不具合を早期に見つけることが大切です。

工作機械のメンテナンスの手順

工作機械のメンテナンスは主に日常点検と定期点検に分けられ、日常点検は作業者が日々の業務の中で行う簡易な点検で、機械の清掃や潤滑、異常音の確認などが含まれます。そして、定期点検とは専門の技術者が一定の期間ごとに行う詳細な検査です。部品の摩耗状態や精度の確認、必要に応じた部品交換や調整を行います。

下記にて、それぞれの点検の例をご紹介します。

フィルター等の点検

工作機械には空気の供給が必要不可欠な部品が多く、フィルターの目詰まりによる故障などを防ぐために目視で切粉や汚れが付着していないかチェックします。そして、汚れや詰まりが合った場合はブラシの清掃で切粉や汚れを取り除いたり、圧縮空気によってフィルターに詰まった微細な異物を飛ばすことでメンテナンスを行います。

機械の清掃

作業中に発生する粉塵やチップの付着を防ぐため、乾いた布やブラシ、圧縮空気などを使用して機械を清掃します。特に、切削液が飛び散る旋盤では、床や機械に汚れがたまりやすいので、定期的な清掃が必要です。

切削液の管理

切削液の残量や汚れをチェックし、必要に応じて交換します。タンクやフィルターの清掃を怠ると、切粉が工作機械内を循環してしまい、クーラントポンプや主軸の回路破損など、思わぬ故障の原因となります。

部品の摩耗状態の確認

ボールねじ、ベアリング、ギアなど、稼働する部品の摩耗具合を点検します。摩耗が進行している場合は早めの交換が必要となり、初めに部品表面の摩耗や変形、腐食など目視で確認し、マイクロメーターやノギスなどを使用して目だけではわからない部品の寸法変化を計測することで、部品の状態を確認することが重要になります。

潤滑オイルの点検

潤滑オイルは部品間の摩擦を減少、冷却や錆防止などに使われ、定期的に点検を行う必要があります。潤滑オイルが不足すると機械性能だけでなく、その他の故障も引き起こす可能性があるため、油量ゲージやオイル窓を使用して適正な量が確保されているか確認します。さらにオイルの劣化状態なども定期的に確認し、必要であれば交換する必要があります。