自社工場をお持ちの会社では、夏場の室温の上昇や熱中症のリスクを課題にしていることも多いでしょう。
そこで今回は、工場における暑さ対策が必要な理由と、おすすめの対策について紹介します。

また、熱中症の対策についてもお伝えします。
ぜひ参考にして、労働環境の改善にお役立てください。

□工場の暑さ対策が必要な理由をご紹介!

ここでは、工場における暑さ対策の重要性を、2つの観点からお伝えしていきます。

1つ目は、従業員の生産性です。
暑いと、人間の体は耐力を消耗しやすくなり、集中力にも影響し、結果的に生産性を下げることにつながってしまいます。

快適な室温では通常どおりにこなせる仕事も、暑さのせいで時間がかかったり、ミスが起きてしまってはもったいないでしょう。
また、暑さ対策を講じることによって従業員が働きやすい環境を作ることは、従業員のモチベーションアップや会社への信頼など目に見えない利益を生み出すでしょう。

2つ目は、暑さによる工場での事故発生を防ぐという観点です。
暑さで体調を崩す従業員が発生すると、労災事故につながる可能性もあります。
従業員が倒れてしまったなどの場合、人手が足りなくなると製品の生産にも影響します。
会社の損失を防ぐという意味でも、暑さ対策をしっかり講じて、働きやすい環境を作ることが大切です。

□工場での暑さ対策におすすめの方法をご紹介!

続いては、暑さ対策をする方法を具体的に6つ紹介します。

1つ目は、太陽からの熱を遮熱材で対策することです。
工場内の熱は、太陽光による「輻射熱」です。
断熱材では遮ることができないため、遮熱材を使用して対策する必要があります。
工場の屋根や壁に遮熱材を設置すれば、工場内の温度上昇を防ぎ、空調設備の効率を上げられます。

2つ目は、スポットクーラーを設置することです。
スポットクーラーは、室内の暑い空気を冷風に変えて、室温を下げてくれるアイテムです。
工場内の広いスペースでは冷房が効きにくいため、人が良く集まる場所などに置くことで、大型の空調設備を導入しなくても快適な室温を実現してくれるスポットクーラーは重宝されるでしょう。

3つ目は、大型扇風機を設置することです。
スポットクーラーよりも低価格で導入できるのが大型扇風機です。
空気を循環させることで空調設備の効率を高める効果が期待できます。
ただし、強力な送風のため、風を当ててはいけない設備や製品がある場合には設置が難しいでしょう。

4つ目は、空調服を使用することです。
空調服とは、作業着の内部にファンが埋め込まれているものです。
ファンによって服の中に送風することで、体温の上昇を抑えられます。
空調服を着ていれば、どこでも涼しいことや、使用するエネルギーを抑えられること、安価で導入がしやすいことがメリットです。

5つ目は、エアコンを設置することです。
大型のエアコンを設置する方法です。
工場全体の温度を効率よく下げられます。
しかし、導入費用や高熱費がかさんでしまうというデメリットがあります。

6つ目は、工場の機械から放出される熱を遮熱シートで遮断することです。
工場にある設備からも大量の熱が放出されます。
その影響で工場内の室温が高くなることもあるため、特に乾燥炉や溶解炉や焼き物を焼く焼成炉などの機会に遮熱シートを施工するのも効果的です。

□工場の熱中症対策について

工場の暑さの影響として起こりやすいのが従業員の熱中症です。
ここでは熱中症の対策として3つの方法を紹介します。

1つ目は、熱中症の症状を従業員と共有することです。
熱中症になる原因や、症状や対処法、報告義務などについて、知識やルールを社内で共有しましょう。

一般的には、まず脱水症状が起き、口内の乾燥や尿の減少、体温の上昇、脈拍の上昇などのサインが出ます。
早急に水分と塩分を補給する必要があります。
熱中症が発展し、熱虚脱や熱疲労、熱けいれんといった養生が現れた場合は危険なので認知を広めておきましょう。

2つ目は、水分・塩分の自由補給です。
工場内で自由に水分や塩分を補給できるような環境を整えることが大切です。
20分ごとにコップ1から2杯のスポーツドリンクを飲むことで、熱中症を予防できます。
ただし、水分は冷やしすぎると吸収が悪くなる可能性があるため、注意しましょう。
適切な頻度で水分・塩分補給をすることの大切さも、従業員に伝えておく必要があります。

3つ目は、休憩室を設置することです。

休憩室の理想的な要件は以下の通りです。

・作業場から近い
・飲み物と塩分を含んだ飴などが常時置いてある
・冷えたおしぼりや体温計などが用意してある
・冷房、扇風機を設置している
・室温が24~26度を目安に設定してある

上記の条件を満たした休憩室を設置することをおすすめします。

□まとめ

今回は、工場の暑さ対策や、熱中症対策についてお伝えしました。
従業員の健康を守ることでより良い労働環境を追求したいですね。
ぜひこの記事を参考にしてお役立てください。

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