モーターは工場内で、コンベアなど搬送装置や工作機械類の加工時の駆動輪としての使用やそのほか機械の高速化、自動化などの生産性向上のために必要不可欠な装置です。
しかし長期間モーターの機器更新を行っていない場合や過負荷が常にかかっていると、異音や振動、動作不良などの故障が起きやすくなります。モーターの故障は、工場全体の生産性の低下に繋がる可能性があるため、本記事ではモーターを長期的に安定して使用するためのメンテナンス方法についてご紹介します。
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モーターの故障前の前兆
モーターは故障前にいくつかの前兆現象が発生します。
普段の動作や様子や異なる点にいち早く気づくことでモーターの故障を防ぐことができます。
モーターの異常な振動
モーターが通常よりも激しく振動している場合、ベアリングの劣化による摩耗や回転部品の不均衡などの緩みによる振動などの加工精度や生産効率に直結する故障の前兆が発生することがあります。
モーターの異常な温度上昇
モーターは長時間運転を続けている場合などに許容量を超えてしまうと過負荷によってモーターの温度が急上昇します。
また、過負荷だけでなくモーター内部にほこりがためることで冷却不良に陥ったり、各部品間の潤滑油が不足することによる摩擦熱で温度が上昇するケースもあります。
これらの要因による温度上昇は、モーターの絶縁劣化を招き、長期的には寿命を縮める原因となるため、適切な管理と定期的な点検が重要です。
異音の発生
モーターの運転音が通常と異なる場合、いくつかの点を確認する必要があります。
ベアリングの損傷があると、「ゴロゴロ」や「キーキー」という異音が発生し、内部の玉が摩耗している可能性があります。また、コイルの損傷が疑われる場合は、「ブーン」という異常なハム音が続くことが多く、短絡や絶縁不良の兆候と考えられます。
さらに、ファンの不具合によって冷却ファンが破損すると、「ガタガタ」といった音が発生することがあります。これらの異音は摩耗や緩み、電気的な異常のサインであり、放置すると故障につながるため、早急な点検と適切な対策が必要です。
電流値の異常
モーターは運転時に負荷の増加により機械的な負荷が大きくなると、余分な電流を消費します。その際に電流値が通常よりも高くなったり、変動が激しくなることで故障のリスクになります。
また、巻線の絶縁劣化が進むと漏電が発生し、電流値が増加する原因となります。さらに、ローターの損傷によってバーが破損すると、異常電流が流れることがあります。
電流の異常は、電気系統の問題や機械的なトラブルの初期兆候であるため、定期的な監視と適切な対策が重要です。
モーターのメンテナンスの種類
上記のような故障や前兆を予防するためにはモーターの定期点検が必要不可欠になります。次に、モーターの定期的に行うべきメンテナンスの種類についてご紹介します。
モーターの分解・内部点検
モーター内部には、巻線、ローター、ベアリング、冷却ファンなど多くの重要部品があります。
外観からは異常が見えにくいため、定期的に分解して内部の状態を点検する必要があります。具体的な点検項目として、巻線の絶縁測定(メガー試験)を実施し、絶縁抵抗が低下していないかをチェックします。必要に応じて再絶縁処理を行い、漏電や短絡を防ぎます。
次に、ローターやステーターの摩耗点検を行い、スリップリングやコミュテーターの摩耗具合を確認します。摩耗が進行している場合は、再加工や交換を検討します。さらに、冷却ファンの詰まりや損傷の確認など点検項目は多岐に渡ります。
ベアリングの交換・潤滑処理
モーターの異常振動や異音の原因の多くはベアリングの劣化です。定期的に交換しないと、摩耗が進行し、最悪の場合シャフトの破損やモーター焼損につながります。
モーターの適切な動作を維持するために、ベアリングの分解・摩耗点検を実施し、グリス切れや摩耗による隙間の増加がないかを確認します。
摩耗が進行している場合は、適切なベアリングへの交換を検討します。次に、適切な潤滑処理として、使用環境に適した潤滑剤を選定し、グリスアップまたはオイル充填を行います。ただし、過剰な潤滑は回転不良の原因となるため、適量を補充することが重要です。
モーターの巻線点検・再絶縁処理
モーターの巻線は長期間の使用により、絶縁劣化や部分的な短絡を起こすことがあります。
絶縁不良を放置すると、最終的にはモーターが焼損し、交換が必要になるため、早期発見と再絶縁処理が重要です。
モーターの絶縁状態を確認するために、いくつかのメンテナンス項目がありますが、代表的なものとして、巻線の絶縁抵抗測定(メガー試験)を実施し、絶縁抵抗値が基準以下(通常1MΩ未満)でないかを確認します。
基準値を下回る場合は、漏電や短絡を防ぐために再絶縁処理を行います。次に、**コイルのリークチェックを実施し、高電圧を加えることで巻線の破損や部分放電の有無を確認します。
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いかがでしたでしょうか。今回はモーターのメンテナンスについてご紹介しました。
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